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大人のひみつシリーズ特別インタビュー第1回『からだのひみつ』山根あおおに先生の登場です!

漫画家歴60年以上、現在も季刊の広報誌など3つの連載を抱える超ベテラン漫画家、山根あおおに先生。

2011年の『大人の科学マガジン』vol.30で、名作『名たんていガケマン』を主人公に、大人向け学習まんが『ハゲる・ハゲないのひみつ』で、なぜ薄毛になり、どんな治療法があるのかのひみつにせまっていただいた。

「まず、『カゲマン』でやってくれ、という依頼だったでしょ。嬉しかったよ。絶対やりたいと思いました」

『カゲマン』といえば、小学館の学年誌を中心に連載された作品だ。一方、『大人の科学マガジン』は学研の学年誌『科学と学習』の大人版。山根先生に抵抗はなかったのだろうか。

「いや、そこは面白いこと考えるなと思ったよ。いいじゃない、どんどんやろうよって(笑)」

この、どんなことでも“面白がる”柔軟な考えは、山根先生の真骨頂でもある。
「この『カゲマン』には、こざきさんの原作があったでしょ。“原作付き”をやってみたかったんだよね。じつは初体験(笑)『カゲマン』で学習まんがというのも初めて。僕はエログロ以外なら何でもやってみたいのよ。そしてこの作品には、やりたいことがたくさんあった」

飽くなきチャレンジ精神もまた、山根先生がキャリア60年以上の今も現役で活躍している“ひみつ”なのかもしれない。

そんなポジティブな山根先生だが、『ハゲる・ハゲないのひみつ』では、これまでにない苦労もあったという。

「描かなければいけない図解があったでしょ。あれがなかなか難しくてね」

じつは、図解部分について、原作では文章説明と、簡単な図解イメージを書いた上で、「あおおに先生、何か面白い表現思いつきませんかね?」と、かなり山根先生に頼ったムチャ振りをしていたのだ。それを、山根先生は単純な模式図ではなく、 『カゲマン』のキャラを使って、まんが的に表現する工夫で対応。そのおかげもあって、まんがらしさと詳しい説明を兼ね備えた、かなりわかりやすいものになった。

「僕が描いてきたギャグまんがの『カゲマン』と比べると、非常に描きづらかったかな。でも、何とか『カゲマン』らしく表現しようとしたんだよね。わかりやすいと思ってもらえたら嬉しいです」

ギャグの『カゲマン』と学習まんがの『カゲマン』はどうしても違いがある。そこを違和感のないように近づける努力も行われている。学習まんがはどうしても説明が必要なので、読むのが大変。その説明と説明の間をつなぐ部分に「遊び」を持ってきて、説明の重苦しさを薄めたのだ。

「やっぱり学習まんがは、伝えるべきことが決められていますよね。それがあるから、自由に描けない。でも、学習まんがといえども『これだ』と教えるばかりでなく、遊びを入れる必要はあるよね。そのほうが読む方も気が楽になるし、息抜は必要。原作も『カゲマン』に近づけてたギャグが入っていたから、そのあたりをふくらませたりしてね」

山根先生はギャグまんがにおいて、常に「1ページに最低でも1つ、ギャグを入れる」ということをこれまで心がけてきたという。また、それが読者に「あおおにまんが」が長年受け入れられた技術でもあり、サービスでもある。そのポリシーは、例え学習まんがであっても、しっかり押さえられている。

「学習まんがは、教科書や専門書じゃないんだから、柔らかいところを入れて、笑って楽しめたらいいよね。それが子ども向けであれ、大人向けであれ、ね!」

なお、『ハゲる・ハゲないのひみつ』執筆後、『からだのひみつ』単行本化にあたり、『疲労のひみつ』と『常在菌のひみつ』の2本が書き下ろされた。

「書き下しも嬉しかったねぇ。『お、また来たか!』と(笑)こっちでもカゲマンや19面相を活躍させることもできたし。これからも機会があったら、どんどん声かけてよ(笑)」

今後、『大人のひみつシリーズ』そして『カゲマン』学習まんが版の復活は、読者のみなさんの応援にかかっている!

プロフィール

やまね・あおおに

1935年生まれ。中学生でデビュー以来、画業65年の屈指のベテラン漫画家。代表作にスラップスティックギャグの金字塔『名たんていカゲマン』など。

プロフィール

あおおに先生に描いていただいた貴重な色紙を限定1名様にプレゼントしました。書店でご購入された時のレシートか、本といっしょに撮った写真で応募いただきました。たくさんのご応募ありがとうございました。

学研まんが からだのひみつ
   
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あおおに先生色紙プレゼント